FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

逆説の永続地帯

千葉大学倉阪研究室とNPO 法人環境エネルギー政策研究所が「永続地帯」というコンセプトを提唱し、全国の市町村の実態を調査している。永続地帯とは、エネルギーと食糧を自給できる地域だ。正確には、「その区域で得られる再生可能エネルギーと食糧の総量がその区域におけるエネルギーと食料の需要量を超えていれば」永続地帯とする。

『永続地帯2011 年版報告書』によると、100%エネルギー永続地帯は、2010 年3 月時点で52 市町村存在する。このうち、28市町村が食糧自給率でも100%を越えていたという。

【エネルギーと食糧の永続地帯(28市町村)】
北海道:磯谷郡蘭越町、虻田郡ニセコ町、苫前郡苫前町、天塩郡幌延町、有珠郡壮瞥町
青森県:西津軽郡深浦町、上北郡六ケ所村、下北郡東通村
岩手県:八幡平市、岩手郡雫石町、岩手郡葛巻町
宮城県:刈田郡七ケ宿町
秋田県:鹿角市
福島県:南会津郡下郷町、河沼郡柳津町、石川郡古殿町
群馬県:吾妻郡嬬恋村、利根郡片品村
富山県:下新川郡朝日町
長野県:南佐久郡小海町、下水内郡栄村
熊本県:阿蘇郡小国町、上益城郡山都町、球磨郡水上村、球磨郡相良村
大分県:玖珠郡九重町
鹿児島県:出水郡長島町、肝属郡南大隅町

この一覧を見ればすぐわかるように、いわゆる田舎の町村が大半を占めている。一般にはこうした地域は人口減少と高齢化で消滅の危機に瀕しているとされる。永続地帯28市町村の平均人口規模は1万人未満と少なく、65歳以上の老年人口比率は全国平均を10%ポイント上回る30%(2005年現在)だ。2035年の平均人口規模は37%減の6千人程度になり、老年人口比率は44%で半数近くに迫る。全国平均の人口は13%減、老年人口比率は34%だから、人口減少も高齢化も全国平均を上回るスピードで進む(国立社会保障・人口問題研究所『日本の市区町村別将来推計人口』平成20年12月推計)。こういう数字を見る限りでは、「永続地帯」どころか「消滅地帯」のようだ。

ところが、エネルギーと食糧の自給という観点から見ると、こういう田舎のほうが永続性がある。消滅の危機に瀕しているのは、ヒト、モノ、カネが過度に集中した都会のほうかもしれないのである。白書は指標の役割として「『先進性』に関する認識を変える可能性を持つ」としている。「持続可能性という観点では、都会よりも田舎の方が『先進的』に」なるというわけだ。

田舎のほうが先進的な部分があるし、田舎から新しい経済や社会の仕組みが生まれるかもしれない。グローバル経済は必ずしも人を幸せにしなかった。その反動として、自給や互助の仕組みが注目されている。たとえば経済評論家の内橋克人は、グローバル化に対抗する新たな基幹産業として「FEC自給圏」を提唱している。FECはFoods(食糧)、Energy(エネルギー)、Care(介護)の略だ。自給や互助の分野であれば、田舎にこそ未来へのヒントがある。グローバル経済が行き詰まりを見せている今、「永続地帯」のような逆転の発想はとても重要だ。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。