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地元の時代のスマイルカーブ

昨年、マンションのお風呂の改装をした。業者をどこにしようかと考えて、最初に思い浮かんだのは、マンションデベロッパーの子会社だった。しかし結局、選んだのは地元の小さな工務店だった。その工務店とつきあいがあったわけではないが、地元の人間なら、地元で下手を打ち、悪い噂を立てられれば生きていけない。だから一生懸命いい仕事をしてくれるだろうという期待感である。

大手の会社で、どこに住んでいるのかわからないサラリーマン営業マンに「私があなたの担当者です」と言われても、信頼感はわかない。もちろん彼(彼女)だって、お客の満足を得られず、クレームが入ればただではすまない。しかし最悪の場合でも、担当を外されるだけだろう。失敗したら商売の基盤を丸ごと失うかもしれないといった覚悟はないだろう。

そんなわけで地元の小さな工務店に頼み、結果は満足であった。そこで、この年末にはトイレの改装を頼むことにした。あと、水回りで残っているのはキッチンの改装で、これがいちばんお金がかかるだろう。もしやるとしたら、やはりこの工務店が第一候補になると思う。

住宅産業のメインテーマは「新築」から「リフォーム(改装)」に移りつつある。現在、ハウスメーカーや量販店がリフォーム需要に応えようと努力しているようだが、なかなかうまくいかないという話も聞く。カスタマイズ志向の強いリフォーム案件と、大量生産・大量消費で成功した企業のスタイルがマッチしないのかもしれない。

一方、パナソニックも系列店を活用して住宅設備を中心とするリフォーム市場をねらっているという。私はハウスメーカーや大手量販店に比べれば、系列店のほうが有利だと思う。系列店とは、看板と商品は大企業に依存しているけれども、サービスしている人間は地元の商店街などの地元の人だからだ。

サービス業ではかねてより「顧客志向」が重要だとされてきたが、これからの時代は、プラスして「地元志向」が重要になってくると思う。リフォーム市場に限らず、生活サービス関連市場全般にわたり、CS戦略ならぬGMT(※注)戦略の重要性が高まる。

その理由は人口動態から示すことができる。以下の表を見ていただきたい。

年齢別人口の推移
・・・・・・・・・・・・・・1950年・1995年・2030年(予測)
生産年齢人口  60%・・・・・69%・・・・・58%
その他人口    40%・・・・・30%・・・・・42%
(年少人口)   (35%)・・・・・(16%)・・・・・(10%)
(高齢人口)   (5%)・・・・・・(15%)・・・・・(32%)

一般的にこの表は、2行目の生産年齢人口(15~64歳)割合が1995年のピークを境に減っていく、つまり現役の働き手が減っていくので日本は大変だという説明に使われる。しかし、当たり前ではあるが、3行目の「その他人口(年少人口+高齢人口)」を見れば、95年をボトムとして上がっていく。一度下がってまた上がっていくスマイルカーブを描く。千葉大学の広井先生は、「年少人口+高齢人口」は、その主たる活動範囲が地域、地元であることに注目し、これからは地域の時代だと述べておられる。ある意味では、高度成長期以前の定常的な社会に戻ろうとしているというわけだ。

もちろん、まったく元通りに戻るのではない。スマイルカーブの左端の「その他人口」は年少人口が大半を占めるが、右端では高齢人口が大半を占める。また、居住地分布が全く異なる。以下に示すように、都会人口比率は一様に増え続ける。高度成長期以前の地元はほとんど田舎と言ってもよかったが、いまや大都市圏を地元とする人が多数派だ。

地域別人口の推移
・・・・・・・・・・・・・・1950年・1995年・2030年(予測)
3大都市圏    35%・・・・・49%・・・・・53%
そのほか      65%・・・・・51%・・・・・47%
全国        100%・・・・・100%・・・・・100%

こうした変化はあるものの、「地元」は私たちのライフスタイルとマーケティングを考える上で必須のキーワードであると思う。

※注:GMTはもちろん、平成25年度前期連続テレビ小説「あまちゃん」に登場したアイドルグループの名称で、「地元」のもじり。「あまちゃん」での「地元」は東北地方だったが、ここでは、あえてそれとは異なる「地元」コンセプトを提唱した。
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