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幸福になるお金の使い方

お金は人を幸福にするかという研究は、幸福度研究の中でも大変興味深い研究の一つである。さまざまな検証結果から、お金は必ずしも人を幸福にしないということはほぼ定説になったと言ってよい。そこで、「ではお金以外の何が人を幸福にするのか」という研究が重要になるのだが、同時に近年、「どのようなお金の使い方が人を幸福にするのか」という研究も出てきた。消費社会をある程度肯定しながらも、賢くお金を使おうではないかというわけだ。

そうした研究によって得られた知見のうち、私は次の二つが重要だと思っている。それは「体験を買うほうがモノを買うより幸福になる(体験消費>モノ消費)」「みんなで楽しむほうがひとりで楽しむより幸福になる(絆消費>自己完結型消費)」の二つだ。これらをかけあわせると、図のような4象限の消費行動領域を作ることができる。ここから次のような仮説が導きだされる。

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絆と体験の両方を満たす第Ⅰ象限の消費が、いちばん幸福度が高い。たとえば、仲間と一緒に出かける旅行や外食、コンサート、スポーツ観戦などは、体験消費であり、かつ絆消費である。

次に幸福度が高いのは、第Ⅱ象限と第Ⅳ象限の消費である。第Ⅱ象限は、絆消費ではないが、体験消費の条件は満たしている。一人旅は、みんなで出かける旅ほど幸福度は高くない。しかし自宅にひきこもってオタク的なコレクションを楽しむといった消費より幸福度が高いであろうというわけだ。

第Ⅳ象限は、体験消費ではないが絆消費の条件を満たす。この領域の代表的なものが耐久消費財であろう。高度成長期の日本、近年に言えば中国などの新興国では、経済の発展、都市部への人口流入、核家族化が進む。やがて都市部の核家族の所得が上がり、住宅、家電、家具、自家用車などを購入する中間層として台頭する。これらはなるほどモノであるが、これらのモノを通して家族が幸福になることが本来の目的だから、絆消費と言えるのである。ところが日本では1970年代には多くの家電は「一家に一台」まで達してしまい、仕方ないのでメーカーは一部屋に一台を目指して「個電」というコンセプトを提唱した。こうなると絆消費の条件を失い、幸福度は落ちてしもう。

第Ⅱ象限と第Ⅳ象限のどちらが幸福度が高いのかはこの図式だけでは決められないが、いずれにせよ第Ⅲ象限よりは高い。まとめれば、幸福度の順番は、第Ⅰ象限>第Ⅱ、Ⅳ象限>第Ⅲ象限になる。

もちろん、以上は相対的な評価であって、第Ⅲ象限の消費が幸福度の向上に貢献しないという意味ではない。また、もともとの「体験を買うほうがモノを買うより幸福になる)」といった知見は、アンケートなどによる「そういう回答者が多い」という結果に依拠しており、当然ながら個人差がある。しかし目安としては十分に使えると思う。賢いお金の使い方をしたいなら、モノ消費、自己完結消費でなく、できるだけ体験消費、絆消費にお金を使うようにしたほうがよい。やってみる価値はあるのではないだろうか。

マーケティング戦略においても重要な目安になるはずだ。絆消費が幸福度を高めるのだとしたら、どのような絆が求められているのか、求められているのに満たされていない絆は何かを考えていけば、新市場・新商品・サービスのヒントになるであろう。体験についても同じようなことが言えるだろう。

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